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「幻の蛤碁石」日向特産蛤碁石とは
「幻の蛤碁石」日向特産蛤碁石。宮崎県日向市の小倉ヶ浜で採れたスワブテ蛤貝から制作された日向特産蛤碁石は、原料のスワブテ蛤貝が約1990年頃に枯渇し希少なことから、「幻の蛤碁石」とも呼ばれています。
ここが世界で唯一の「幻の蛤碁石」日向特産蛤碁石の産地、小倉ヶ浜。小倉ヶ浜で採れたスワブテ蛤貝は荒波から身を守るため蛤の殻が厚くなると言われています。
昔は取って来た蛤を四角く割り、手作業で少しづつ削って丸い形にしていました。
現在では専用の道具を使い、蛤を丸くくり抜きます。
その後面摺りと呼ばれる碁石の両面に丸みをつける作業を行い、最終的に"手摺り"で形を整えていきます。
日向特産蛤碁石に今でも欠かせない工程がこの"手摺り"です。
"手摺り"では「貝棒」と呼ばれる道具で蛤を固定し、碁石の丸みに応じた溝のある砥石で磨いていきます。
砥石の溝は碁石の号数に応じて深さを調整しますが、厚みを変えても同じ形に仕上げなくてはならないので、熟練の技が必要となります。
また、碁石を磨くにつれ砥石の方も削れて溝の深さや形が変わってくるため、何十個か磨くごとに溝を調整します。
そのため、碁石を一組磨き終える間に何度も調整を行う必要があります。
削る場所によって砥石を変えており、面を磨く砥石とミミ(側面のこと)を磨く砥石があります。
メーカーによっても碁石の形が異なるといい、各社の要望に合わせた微妙な形の違いを手先の感覚と長年の経験によって作り出しています。熟練した手摺り職人になるまでには約15年かかると言われますが、その手摺り職人でさえ、1日に100個ほどしか仕上げることができないと言います。
大変手間のかかる作業ですが、手摺りを行うことで碁石の厚みをできるだけ落とさずより厚い碁石を作ることができます。そして何より、手摺り独特の丸みがついた碁石は、打った時の手触りが良く、その質感は手摺りでしか生み出すことはできません。
手摺りは昔から大切に受け継がれてきた欠かすことのできない伝統工芸で、これによって製品の善し悪しが決まるのです。職人によってひとつひとつ手作業で丁寧に仕上げられた日向特産蛤碁石は非常に美しく、大変価値のある最高級品の碁石です。
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